『痴人の愛』 谷崎潤一郎
ー最初は男が自ら進んで「欺される」のを喜ぶのですー
私は、初めて谷崎潤一朗さんの著作を読みました。
きっかけは、新聞の特集記事です。
そのタイトルは、
隠された欲望描く まるで「悪女列伝」
www.asahi.com/articles/DA3S11664837.html
さらに、「谷崎文学の源泉はフェティズムとマゾヒズムだ。」とかかれています。
なんというか・・・とても強烈です(´・ω・`;A)
そこで、新聞記事にまで書かれるとはどこまで変態なのか確かめよう!とこの小説を読んでみた訳です。
あらすじは職場で「君子」と呼ばれるくらい真面目な主人公の譲治が
十三歳年下の日本人離れした少女ナオミに好意を持つ。
その後、親と縁の薄いナオミを引き取り、立派な女性に育てようとするのだが・・・
感想は、
とても読みやすく、流れるように頭に入ってくる文章の凄さ
やっぱヘンタイだー!ハイレベルすぎて主人公に感情移入できない・・・
この二点です。
まず驚いたのは文章の読みやすさです。てっきり三島由紀夫さんみたいなコテコテした文体だと思い込んでました。(三島ファンのかたごめんなさい)
良い意味で期待を裏切られました。
あと、とても根本的なことは、主人公がMすぎてついていけないことです。
読んでいて、正直かなりイライラしました。
あんな酷いことをやられて、なぜもっと怒らない!?
・・・どうやら私はMではないようです。
あと、この表紙イイですね